5月25日、高山市清見町の彦谷で景観整備&植生調査を行いました。
植樹から12年目。 改めて12年前を見てみると荒涼とした雰囲気が漂っています。たった十数年でよくぞここまで・・・と、思ってしまいます。
今回も一昨年から継続している笹刈りを大分進めました。光りが林床にも届くようになり、それと同時に12年目のこの森にどんな木が生えているのか、調べることもしました。検索図鑑によって葉っぱから検索するのですが、なかなか似たような葉っぱもたくさんあり、思うようには調べられませんでしたが、それでもこんな木が生えていました。
ハルニレ・オオヤマザクラ・トチノキ・ホオノキ・ヒノキ・スギ・オニグルミ・オオデマリ・カンボク・メギ・ウリハダカエデ・イタヤカエデ・ウリノキ・イヌコリヤナギ・ガマズミ・ウツギ・イロハカエデ・シラカバ・カツラ・ヤチダモ
ヤマザクラやホウノキ、カツラ、トチノキなどは12年前に植えたものであると思われますが、それ以外のほとんどは、自然に生えてきたものです。どうですか?12年前と比べていかに植生が豊かになったのかが良く解ります。植えた木が大きくなっただけではなく、それと同時に多様性が生まれたのです。また、今は昔しにはなかった小川が足元を流れています。これは、森が保水能力を取り戻し水源涵養の機能を復活させた証拠です。
落葉広葉樹が増えたことで、落ち葉も増え土壌は腐葉土になりつつあります。また、下草を含め、様々な木や草が根を張る事で土の流出を防いでいます。更に、下草刈り・徐伐を進め木の成長を促すことにより、大気浄化の能力も高まっています。(成長期にある木のほうが、二酸化炭素の吸収率は高い)
以上の事から、この彦谷の活動地では森の大きな5つの機能である①多様性により生態系を育む。②保水機能。③土を作る。④土の保持。⑤二酸化炭素吸収など大気の浄化。などが、復活しつつあると言えると思います。
特に多様性や保水機能などは樹種が増えたことや小川が流れることにより目に見えて解ります。
成果が上がると素直に嬉しいですね。本来、森づくりは数年で成果が上がるものではなく、何十年あるいは何百年先を見据えたものですからね。
森づくり。
まだ、あまり関わった事の無い人には雲を掴む様な話しに聞こえるかも知れませんが、温暖で多湿な気候の日本では割に早く成果があがるようです。アクションを起こせば。木を切ると瞬く間に砂漠になってしまうような場所ではなかなかこうはいかないだろうけれども・・・。
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